恵みの風

“すべて、疲れた人、重荷を負っている人は、わたしのところにきなさい。わたしがあなたがたを休ませてあげます。”(イエス・キリスト) 兵庫県三田市 北摂恵みバプテスト教会よりお届けします。

2015年9月24日木曜日

ゆっくり行こう

 作家の遠藤周作さんは、幼年期・少年期の自分のことを著者の「落第坊主の履歴書」の中で「遅熟児」だったと言っています。遅熟児という言葉は、おそらく遠藤さんの造語だと思いますが、「ゆっくりゆっくり」成長していったということでしょう。小学一年生のとき、アサガオの種を蒔き、水をやれば芽が出て花が咲くと教えられたので、毎日毎日、雨の日も水やったそうです。「暑い」の反対の言葉は?という問題に「イツア」と答えたそうです。成績は中学でも低空飛行、受験には何度も何度も失敗したということです。
 しかし、その著者のあとがきで遠藤さんは、「遅熟児の私だが、成長してなんとか物を考え、この社会で生活できるようになったのだから、同じようなおこさんをお持ちのお母さんも、安心してくださってもいいと思われる」というような意味のことを書かれています。
 私たちは、ついつい「早さや速さ」を求めてしまいます。また「失敗しないこと」を求めてしまいます。しかし、ゆっくりが良いことも多くあります。そして、失敗から学ぶことも多くあります。私たちは、早くても遅くても、成功しても失敗しても、各々よい面があるということを覚えたいです。キリストの一番弟子であったペテロも、数々の失敗を通し、ゆっくりと成長しました。自分の身を守るために「キリストをしらない」とまで言ってしまったペテロも、キリストの愛の中で力強い歩みをするようになりました。私たちも、キリストの愛の中で、自分のペースで成長していくことができるのです。