恵みの風

“すべて、疲れた人、重荷を負っている人は、わたしのところにきなさい。わたしがあなたがたを休ませてあげます。”(イエス・キリスト) 兵庫県三田市 北摂恵みバプテスト教会よりお届けします。

2010年1月8日金曜日

励みとなる歩み

彫刻家の平櫛田中(ひらぐじでんちゅう)さんは、明治5年に生まれ、107歳で亡くなるまで、明治・大正・昭和の三代にわたって日本の木彫界の第一人者として活躍しました。その平櫛さんが100歳に近い時に、70歳半ばの松下幸之助さんに「松下さん、60、70は鼻たれ小僧、男盛りは100からですよ。だからわたしもこれからですよ」と言ったそうです。平櫛さんは「今やらねばいつできる。おれがやらねばだれがやる」というような言葉を好んで使っていたそうです。そして事実、100歳の誕生日を迎える時、向こう50年間分の木彫の材料を買ったのです。50年はできませんでしたが、107歳まで精力的に創作活動に励みました。また、「もう少し長生きしないと、私の義務が果せない作品があるのです。5・6点、いやずっと狭めても4点は作らなければなりません。最近この4点以外に一つまとめてみましたが、それには手こずりました。3年かかりましたが往生しました。苦しんで苦しんで、そして私の修業がウソだったということを痛感しました。習い始めの自分、5年なり10年なりは、どんなことがあっても、そのものを木に移すことを根本にしなければなりません。それが私にはできなかったのです。いわば器用にやっていたのです」というコメントを102歳の時に書きました。
自分でやるべきことを責任をもってやりながら、一歩一歩、歩まれた人生ですね。自分自身にとっても、他の人にとっても励ましとなる人生です。