きょうできることを一つ
小林一茶の句に、「焚くほどは 風がくれたる おち葉哉」があります。確かに、落ち葉は次から次へと落ちてきます。この落ち葉に関して次のような話があります。
ある禅僧が、弟子を連れて庭を歩いていた。パラリ、パラリと落ち葉が舞い落ちる。禅僧はそれを一枚一枚拾っては、袂に入れていた。弟子が言う。「和尚、やめてください。のちほど、わたくしが掃きますから」これを聞いて、禅僧は弟子を一喝した。「馬鹿者!のちほど・・・・・で庭が美しくなるか!?一枚拾えば、一枚だけ美しくなるんだ!」。
「千里の道も一歩から」という諺にも通じる話ですね。私たちは、しばしば「今度、まとめてやろう」と考えます。仕事、かたづけ、勉強、聖書通読・・・・・などなど。結局たまり過ぎて、どうにもならないという結果に陥ってしまうことがしばしばではないでしょうか。一回、あるいは一つのことは小さくても、まとまると大きなものとなってしまいます。落ち葉一枚拾うと、確実に一枚分はきれいになっています。
「今、一枚拾う」という気持ちが大切です。
聖書に、『だから、明日のために心配は無用です。あすのことはあすが心配します。労苦はその日その日に、十分あります』というイエス様のことばがあります。その意味の一つは、今できることは今しておこう、一つひとつやっていこうということです。小さなことも、今、行うべきことを今行っていきましょう。