とらわれない心
江戸時代に「コレラ」のことを「コロリ」といっていたそうです。
このコレラにかかると、「だれでもコロリと死んでしまう」恐ろしい病気だというところからそう呼ばれていたという通説です。
あの勝海舟がこのコロリにかかってしまいました。高熱が出、激しい下痢が続きました。コロリにかかったと知ると、「ああもうダメだ。なおらない」と絶望しコロリと死んでしまうのがふつうでした。しかし勝は、熱いお風呂を沸かし、一日中その中につかり、下痢をこらえ、そしてなおしてしまったということです。「熱い湯でコロリをなおしたのですか」と聞かれると、「いや、気力だよ」と答えたそうです。
熱い湯が効果的であったかどうかはわかりませんが、大切なのは勝海舟の「気力だよ」という考え方です。「コロリにかかるとなおらない。すぐに死んでしまう」という、その時代の通念に支配されず。「なおるのだ」と考えて対処したことです。
私たちを取り囲んでいる通念、実態のない世間の声、今までがそうであったから・・・などに支配されると、問題の中に埋もれてしまうかもしれません。気力を失い大切な人生を歩めなくなるかもしれません。聖書の中でパウロという人が『うしろのものを忘れ、ひたむきに前のものに向かって進み』と言っています。今までのことにとらわれず、新しい考え方で新しい目標に向かって進んでいけるということです。聖書は、私たちに、私たちが自分らしく、生き生きと歩むことのできる「考え方」を提供してくれるのです。