どっちを選ぶ?
ユダヤの笑い話です。
ある日、ポラックとポッパーが、いっしょに昼食をとりました。二人とも、仔牛のカツレツを注文しました。楽しく話をしている間に、ウエイターがカツレツを運んできました。ところが、一つの皿には、明らかに大きさの違うカツレツが二枚のっています。「どうぞ取ってください」とポッパーがすすめました。「お先にどうぞ」とポラックが言いました。
長いこと譲りあったあげく、ポッパーが先に取ることになりました。そして彼は、大きい方のカツレツを自分の皿に取りました。当然、ポラックは小さい方を食べました。食べ終わると、ポラックは腹に据えかねたように言いました。「はっきり言って、ポッパーさん、私がもし先に取るとしたら、小さい方にしたでしょうね」ポッパーは、訳がわからないというようにポラックの顔を見詰めて言いました。
「じゃ、なぜ文句を言うのですか。あなたはお望み通り、小さい方を取ったわけじゃありませんか」。
うんうん、あるある、と読まれた方も多いのではありませんか。人間の気持ちを巧く表現している笑い話です。人間、「自分がかわいい」のは誰でもそうでしょうが、「自分だけがかわいい」となると困ったものです。キリストは、『与えることは、受けることより幸いです』と言われましたが、キリストのようにはいかなくても、「ゆずる」喜びを味わっていきたいですね。