恵みの風

“すべて、疲れた人、重荷を負っている人は、わたしのところにきなさい。わたしがあなたがたを休ませてあげます。”(イエス・キリスト) 兵庫県三田市 北摂恵みバプテスト教会よりお届けします。

2008年7月1日火曜日

だれをまねるのか

 自分自身を築き上げていく上で大切なことの一つに「まねる」ということがあると思います。まねることと自分らしく生きるということは矛盾するように思えますが、実は大切なことなんです。
 たとえばニュートンは万有引力の法則を「発見した」と言われていますが、正確には「確立した」というほうが正しいでしょう。実は、ガリレオが発明した望遠鏡を使って、ガリレオの弟子が18年間天体観測をし、毎日記録をとった結果、天体の運動は円運動ではないことがわかりました。それをもとに、その弟子のケプラーが10年以上観測し、明確な記録をとって「ケプラーの法則」をつくりました。そして、さらにそれをもとにしてニュートンが「逆二乗の法則」を発見したということです。受け継ぎ、まねていったんですね。
 詩人の室生犀星は、「詩をつくるということは、ある意味では盗まなければならない。小説を書くという場合もまた多くを盗まなければならない。巧みに溶かして盗むことは、その詩人なり小説家の頭の溶かし具合、盗むことによって盗んだ十倍も本物を自分から引き出すことである」と言っています。
 この二つの話からも、いろんな意味で「まねる」ことが、実は自分を生み出していくことだとわかります。クリスチャンという呼び名も、初代教会時代にシリアのアンテオケという町で、「キリストのようなやつ、キリストをまねるやつ」という意味でつけられたあだ名です。よきことをまねることは、よきあだなをつくることですね。