たまには「暇」を持とう
ガブリエル・マルセルは「マルセルにおける人間の研究」という著書の中で、「あらゆる動物のうちで、考える力を持っているのは人間だけである。ところが、あらゆる動物のうちで、考える暇を持たないのも人間だけである」と警告しています。
私たちの日々の生活も「暇」のない生活ではないでしょうか。子どもから大人まで、いろいろなスケジュールに支配され、ちょっと残った時間もテレビなどに取り上げられてしまう余裕のない時代になりました。作家のピーターソンは暇な時間について、「潜在意識はコンロのようなもので、われわれがぼんやりしている間に考えがとろとろと煮えてくるのである。ニュートンはぶらぶらしているときにリンゴが落ちるのを見て、引力を発見するきっかけをつかんだ。ガリレオはゆったりと大きな吊りランプが揺れているのを見ながら、振り子の連動原理に気がついた。ワットは台所でくつろぎながら、ヤカンのふたを蒸気が押し上げているのを見て、蒸気機関を思いついたのである。多くの場合は、机に八時間かぶりついているより、二時間ほどぼんやりしている方が質量共に勝るアイデアが得られるものだ」と言っています。
キリストは、弟子たちが食事をする時間もなく働いているのをごらんになり『寂しいところへ行って、しばらく休みなさい』と言われました。休む時間、ぼんやりする時間、無為の時間、これらこそ私たちをリラックスさせ、考える力、働く力を養ってくれるのです。
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