恵みの風

“すべて、疲れた人、重荷を負っている人は、わたしのところにきなさい。わたしがあなたがたを休ませてあげます。”(イエス・キリスト) 兵庫県三田市 北摂恵みバプテスト教会よりお届けします。

2012年2月21日火曜日

時を待つ

興味深い民話があります。いつも道ばたに座っている老人がいた。来る日も来る日も、村外れの大きな木の下に座っている。「いったい何をはなしているんだろう」とこの奇妙な老人の行動は、いつしか村人たちの噂となっていった。ある日、好奇心の強い村人が、老人の様子を一日中観察してみた。すると、老人はただ黙って座っているわけではないようだ。一日に何回か、思い出したように、手を打ち鳴らすのである。老人は、それを毎日毎日、飽きもせず繰り返している。
「あなたは、毎日ここに座って手を打っているようですが、いったい何をしているのですか」と村人が尋ねた。老人は答えた。「この木になっている実が落ちるのを待っているんじゃよ。」「はあ?それなら木に登るなり、棒で取るなりすればいいんじゃないですか!」と、村人。「いやいや」と老人はさらに答えた。「機が熟す、ということわざもあるようにな、あの実もやがて熟すれば落ちる実だけをいただこうと思っとるのじゃ」と。
 この老人、自然の仕組みにさからわず、忍耐をもって待っているわけです。忍耐というより、待つ楽しささえ感じます。とかく私たちは「早く早く」となってしまいがちですが、例えば、みかんもイチゴも熟する前にはスッパイですね。熟すには時があります。
 聖書には、『神のなさることは、時にかなって美しい』とあります。
私たちは、その時を待ち、そしてその時を逃さないようにしましょう。

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