やわらかい発想

私たちは、何か一つのチャンスを逃すと「もうダメだ」と思いがちです。しかし、そのチャンスを逃したからこそ、うまくいった、素晴らしいものに出会った、ということもあります。「これしかない、このチャンスしかない」と考えると、人生がきつくなります。時々、異なる観点から自分を見たり現状を考えることは役に立つと思います。
　そういう観点から、異業種交流会のようなものが盛んに行われています。他の業種から自分の仕事を見てみよう、あるいは異業種に良いヒントがるのではないかという発想です。情報やデータなどは、とかく自分に都合の良いものだけ集め、都合の悪いものには目を向けないという傾向がありますので、交流会などはとてもいいことです。
　沖縄電力では社内ベンチャーで養豚場を作り、沖縄特産の豚を育て「べに豚」として売り出しました。日立造船は杜仲茶、JRが廃線のトンネルを使ってキノコの栽培をしたのは有名です。マルキン醤油は、肝臓病を血液検査ではなく尿で検査できる方法や血圧降下ジュースを開発しました。どれもその会社からは想像がつかないものばかりです。「これしかない」ではなく、「いろいろできる」と考えたのです。
　イエス様は弟子たちに『目を上げて畑を見なさい。もう借り入れるときになっています』と言われました。私たちも、少し目を上げ、周りを見渡し、自由な発想をもって考えてみたいですね。新しい発見があるかもしれません。今までは見えなかったものに気づくかもしれません。チャンスはけっこうたくさんあると思います。