異なる視点
有名なことわざに「人間万事塞翁が馬」があります。このことわざの解釈の仕方に、中国人と日本人では異なると作家の陳舜臣さんは言います。日本人は、「今は苦しいことだけれど、いずれ楽しいことになる。また、今は楽しいことだけれどいずれ苦しいことに変わる」と解釈します。しかし中国人は、「今、苦しいことの中に楽しい事が含まれている。そして楽しいことの中に苦しいことがある」と解釈するそうです。
人間万事塞翁が馬の中で例をあげると、落馬して受けたハンディキャップがいずれなくなることがいいことだと日本人は思い、中国人はハンディキャップはそのままだけれど、その中に戦争に行かなくてすんだ、といういいこともあると考えるわけです。言い換えると、日本的解釈は物事に善し悪しをつけ、中国的解釈は善し悪しをつけずに受け入れるということではないでしょうか。
確かに、今が悪いと考え「変わる、変えよう」とするとしんどいですね。変えなくければ良くならないのですから。落馬して受け入れたハンディーキャップは治らないかもしれない、と現実を受け入れることができればいいのですね。それは、悪いことではないからです。また、良いと思われることも、いずれ悪くなっていくと考える先行きの不安がつきまといます。良いと思われる中でも悪いこともあるかもしれないと注意することが大切ですね。そして聖書は『神はすべてのことを相働かせて益としてくださる』と私達を励ましています。
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