創造主によって新しく

昔、一人の年老いた旅人が一件の家を訪れました。そして物置小屋でいいので一晩泊めてもらいたいと頼みました。家の主は快く迎えました。次の朝のことです。物置小屋から美しいハープの音色が響いてきます。家の主が小屋をのぞくと、老人が見事に弾いているではありませんか。驚いている主に、「実はこのハープは昔、私が作ったものです。一晩泊めていただいたお礼に修理しておきました」と答えました。ハープは、もう一度ハープとして生き返りました。

　聖書は、私たち人間は「神のかたち」に創造されたと教えています。神のかたちとは、神に似たものであるということです。愛であり、正義であり、力である神に似た者ということです。しかし、私たちはその「神のかたち」を壊してしまいました。聖書はそれを罪と呼んでいます。罪とはまた、「的はずれ」という意味もあります。神に似た素晴らしい性質を壊し、的はずれに生きているということです。私たちは人間としての素晴らしい自分の姿を見失っているのです。自分自身の奏で方を知らないのです。あのハープが壊れて物置小屋にほこりまみれになっているのと同じではないでしょうか。

　聖書は私たちに、人間本来の姿を示しています。それは、私たちが愛や喜び、そして感謝に満ちて生きることのできる存在です。ハープがそれを作った老人によって新しくされたように、私たちも私たちの創造主なる神により新しく生まれ、創造主のことばである聖書を通して新しく自分を知り、新しい自分を奏でることができるのです。