本当に失敗?
家庭用の浄水器は、蛇口に付けるものから本格的なものまでありますが、多くの浄水器は、中空糸膜というものを使っています。 1970年代後半、三菱レイヨンのメディカル事業部の工場では、ポリプロピレン繊維を作っていました。通常透明な繊維ができるのですが、あるとき熱と圧力のかけ方を間違えて、真っ白な糸になってしまいました。糸が白くなるということは、糸の内部や表面に小さなヒビができ、それが光を反射するもので大失敗でした。しかし、このミスが研究者立ちにあるヒントを与えました。ヒビが入るということは、うまくすると中空で、側面にもいっぱい穴の開いた繊維を作ることができるかもしれない、というものでした。そして次の年、穴あき繊維は完成しました。0.01ミクロンの無数の穴の開いた繊維は、「水を通すが、細菌は通さない」、すなわち浄水ができるすぐれたものでした。そして医療用に、また家庭用にと改良されていったのです。 このように失敗から生まれた発明や発見はたくさんあります。それは、失敗したと思ったとき、「どう対処するか」によります。あわてて更に失敗を繰り返すことのないように、それをどう活かすことができるか、あるいは活かせなくても同じ失敗をしないようにすることでも益があります。そうなれば失敗は失敗でなくなります。失敗を活かす知恵ですね。 実は、聖書には多くの知恵があふれています。それは私たちの長所を活かす知恵であり、また失敗を失敗としない知恵でもあるのです。
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