思いやりの心
「残心」という言葉をご存知でしょうか。辞書で引くと、「武道、茶の湯で動作が終わった後まで、気持ちをよそに向けないこと」とあります。剣道では、有効打突があっても、この残心がなければ審判は有効と判断しないということです。この「残心」という言葉のルーツは、千利休の師である武野紹鴎が「道具は取るときよりも、置くときに、より綿密であるように」という教えから来ています。むずかしいことは私にはわかりませんが、最後まで、また人との接点の部分で心を込めて行う、ということでしょう。
梯子も登るときより下りるときにケガが多いといわれています。車の事故も行きよりも帰りに、しかも自宅に着く10分ぐらい前が多いと聞いたことがあります。ホッとしてしまうんでしょうね。これは最後まで注意が必要という意味での残心です。
買い物をして店を出て、ふと振り返ると店員さんがニコッと笑って会釈をされる。その店の固定客になりそうですね。これは最後に相手の人に爽やかな思いを与えるという残心です。
残心を商品開発に活かしたもので「オクレスイッチ」とういものがあります。スイッチを切った後、しばらくしてから灯りが消えるというものです。玄関や車のルームライトに応用されています。
聖書に『何事でも、自分にしてもらいたいことは、他の人にもそのようにしなさい』とあります。この心配り、思いやりが残心ということのほんとうのルーツなんでしょうね。
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